私は今、
運営している英会話スクールの関係でフィリピン・セブに来ています。
フィリピンは7000以上の島々からなる海ともに生きてきたような島国です。
その島の1つ、カオハガン島に行ってきました。
カオハガン島は、セブ島とボホール島の間に位置する、周囲が百キロ以上もある「オランゴ環礁」の環の上にできた島の1つです。
面積は約五万平方メ-トル。約東京ドーム1杯分くらい。
その島の島主はなんと日本人なんです。
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島主・崎山克彦さん
1935年(昭和10年) 福岡県生まれ。成城学園初等科、中等科、
東京都立新宿高校、慶應義塾大学法学部卒業。
カリフォルニア大学バークレイ校大学院でジャーナリズムを学ぶ。
講談社、講談社インターナショナル社取締役、
マグロウヒル出版ジャパン社長など、30年間のサラリーマン生活を送る。
その間、10年以上をアメリカで暮らす。
1987年、フィリピン・セブ島の沖合10キロに浮かぶ小さな島「カオハガン島」と出会い一目惚れ。
会社を辞め、1991年より、そのカオハガン島で暮らし始める。
その後は、小さな宿泊の施設「カオハガン・ハウス」を運営しながら、
21世紀の理想的な小さなコミュニティ創りを目指して、
島民たちと一緒に暮らしている。
著書に、「何もなくて豊かな島」(新潮文庫)、
「ゆっくり生きる」(新潮社)、
「何もなくて豊かな南の島」(海竜社)など9冊がある。
そのうちの3冊が、中国語で翻訳出版されている。
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今回機会があり、
崎山克彦さんご本人からたくさんの話を伺いました。
島に来た時島民は300人くらいだったそうです。
島民たちは、潮が引くと家族で海岸にでて、
その日一日に必要なぶんだけの魚や貝を獲り、
食べられる野草を野菜代わりに食べて暮らしていました。
水は雨水を利用し、
島に無いものが必要になれば、多めに魚をとって、隣の島に物々交換にいく。
冷蔵庫もないし、テレビも無い。まったく電気もいらない。
なにより、お金もいらない。
そんな素朴な島がカオハガンだった。
それでも皆んなとっても幸せに暮らしていたそうです。
それでも、
いろいろな物が発展してきて情報が入ってくると、
幾分かのお金が必要になってくる。
そこで、
宿泊施設をつくって観光客を招いたり、
島の貝や椰子でお土産物をつくって売ったり、
崎山さんの奥様が教えたキルトを発展させて、
カオハガンキルトとして売ったりして、
少しお金を稼げるようになったきた。
2年前にカオハガン島民の平均月収をしらべたら、
家族7~8人で平均9000円前後だったそうです。
これは世界的に見ると、
最貧国の国の平均の更に半分くらい。
では、島民達は貧しい生活をしているのか?
もちろん、
物が溢れるような豊かさはありません。
しかし、
毎日家族が一緒にいて、
友達がいっぱいいて、
太陽と共に起き、
太陽と共に寝て、
太陽の位置や月・星の位置で時間を感じ、
潮の満ち引きや、
風の流れと共存し、
必要最低限のものを手に入れ、
大きな争いもなく、
もちろん、自殺なんて無縁で、
何より子ども達の目がキラキラ輝いていました。
ピュアな笑顔が本当に印象的でした。
本当の豊かさとは何なんでしょうか?
お金があるから豊かなわけではありません。
お金がないから不幸なわけではありません。
幸せや豊かさとお金が有る無しは関係ないですね。
心が豊かであることが大事なんであって
幸せは感じるものであって、
今そこに在ることですでに幸せなんであって、
心の在り方次第だということです。
(お金を稼ぐことを否定している訳じゃないですよ。
日本においてはまずは稼ぎましょうね。生きられないし。)
カオハガンの島民たちに
私たちが教えることがあるんじゃなく、
分け与えることがあるんじゃなく、
私たちが教わることがたくさんありました。
分け与えてもらったことがたくさんありました。
崎山さんは現在79歳。
カッコイイ粋なおじいちゃんです(笑)